当事務所の相続・遺言書専門サイト【埼玉県川越市の相続と遺言書相談.com】はこちらから
埼玉県川越市の行政書士鈴木法務事務所について

行政書士鈴木法務事務所では相続相談・相続手続き代行・遺産分割協議書の作成・遺言書作成等の相談業務などを専門に行っております。
049-293-1091(10:00~19:00  ※土日祝日も受付は可)
お気軽にお問い合わせください

ご相談の詳細はこちらからどうぞ

民法改正で自筆証書遺言の要件緩和~財産目録の作成方式

埼玉県川越市の相続と遺言書専門行政書士Blog 遺言書の制度

現行の民法では、自筆証書遺言について『全文を自書』しなければならないと規定されています。

これは、遺言書に添付する財産目録といった書類も例外ではありません。財産目録についてもすべて自書していないものは無効な遺言書となってしまいます。

そこで、先に公布された改正民法では、この『財産目録』については自書したものではなく、パソコンで作成したものや通帳のコピー、登記簿謄本などといったものを利用できるよう、要件が緩和されました。

なぜ要件が緩和されたのか、改正後においても注意しておくべき点をまとめてみたいと思います。

自筆証書遺言の作成方式はなぜ緩和されたのか

自筆証書遺言というのは、文字通り全文を自書して作成する遺言書です。

そして、財産内容が多い場合などでは別紙として財産目録を添付する場合があるのですが、先にも述べた通り、この財産目録についても現行民法では全文を自書しなければなりません。

これは遺言者にとってかなりの負担となります。

そこで、今回の改正では自筆証書遺言について一部の要件を緩和し、財産目録については自書したものでなくても有効なものとして作成できるようになりました。

これにより、遺言者の負担を減らすことで遺言書の作成を促進するという狙いがあります。

遺言書の作成が普及することで、相続が『争族』となることを防ぐといった効果も期待できるでしょう。

自筆証書遺言の作成方式の緩和についての概要は、下記法務省のホームページも併せて参照してみてください。

自筆証書遺言に関する見直し|法務省

改正前(現行)と改正後の条文はこう変わります

改正前(現行)の改正後の条文は、今後以下のように変わります。

改正前の民法第968条(自筆証書遺言)
1.自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2.自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

改正後の民法第968条(自筆証書遺言)
1.自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2.前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。

3.自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

改正後にも自筆証書遺言は重要な注意点があります

今回の改正で自筆証書遺言の作成方式が緩和されましたが、それでも自筆証書遺言には注意すべき点が多々あります。

その注意点の中でも重要なところを解説していきます。

1. パソコンで作成できるのは財産目録のみ

パソコンで作成できるのは、あくまでも財産内容の補助的資料となる『財産目録』のみです。

本文については従来通り、全文を自書したうえで日付と署名押印が最低限必要です。この要件がひとつでも欠けていれば、無効な遺言書となってしまいます。

2. 財産目録には署名押印が必要

財産目録は、パソコンなどで作成されたものでも有効となることは前述の通りですが、その作成された財産目録にも自書で署名、押印をしなければなりません。

また、財産目録が複数枚となる場合には、その一枚一枚に自書で署名、押印が必要となりますので注意しましょう。

3. 数字などの打ち間違いは要注意

例えば、記載されている不動産の番地が、本来は『1番地』であるところを『2番地』などと記載されていると、これは所有する不動産とは異なるものとなってしまいます。

また、預貯金の口座番号の打ち間違いにも要注意です。ひとつでも数字を打ち間違えてしまうと、当然のことながらまったく異なる口座になってしまいます。

こうした間違いがあると、いざ遺言者が亡くなった後に遺言書に従って相続手続きを行う際、かえって手続きが困難になってしまう、あるいは最悪の場合、遺言内容に沿った遺産分割ができなくなる可能性もあります。

ある意味、手書きよりもパソコンでの作成の方が間違いやすいことがあります。パソコンで作成したものであっても、必ず一字一句、念には念を入れて確認してください。

方式が緩和されても肝心なのは遺言の中身です

今回の改正で財産目録の作成方式が緩和されたといっても、肝心なのは遺言書の内容です。これは法改正されても何ら変わりはありません。

遺言書の方式に不備があれば無効な遺言書となってしまいます。

また、特定の相続人にすべての財産を相続させる、といったような内容であれば、他の相続人が持つ遺留分にも影響することになり、遺言書があることでかえって『争族』の引き金にもなりかねません。

遺言書の内容や形式などについて、疑問点や不安なことがあれば、やはり相続に詳しい行政書士などの専門家と相談しながら作成することをお勧めします。

なお、自筆証書遺言の要件緩和が施行されるのは、平成31年1月13日以降に作成したものとなります。それまでは従来通り全文自書する必要がありますので、その点も留意しておきましょう。

遺言書の制度
著者行政書士プロフィール

1971年埼玉県狭山市出身。平成18年1月、埼玉県川越市に行政書士鈴木法務事務所を開業。埼玉県行政書士会川越支部所属・同支部理事。
開業当初より遺言書作成・遺産相続手続きを中心とした分野を専門として取り組み、これまで多数の実績がある。
事務所を構える埼玉県川越市を中心とした地域密着型の業務で、きめ細かな顧客への対応を実現し、遺言書作成・遺産相続手続きの専門家として大きな信頼を得ている。

よろしければフォローしてください
よろしければフォローしてください
埼玉県川越市の相続と遺言書専門行政書士Blog