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老老相続の増加~贈与による若年世代への資産移転が進まない現状

埼玉県川越市の相続と遺言書専門行政書士Blog 相続税・贈与

高齢化が進む現代では、いわゆる『老老相続』が増加してきています。

被相続人(亡くなった方)が80歳代、90歳代で相続を迎えると、その資産を相続することになる子の年代も60歳代、70歳と高齢化していきます。

結果として本来は、最もお金が必要となる若年世代にまで資産がなかなか移転してこないために、経済の活性化も進まないという現状となっています。

政策的にも、若年世代への資産移転を促すための法整備や制度を時限措置などで創設してはいますが、その効果は決して高いとはいえず、さらなるテコ入れが検討されているところです。

今の制度では生前贈与がされにくい

2013年の税制改正により、主に若年世代への資産移転を促すための目的で、相続税の基礎控除額の引き下げ、孫への生前贈与を認めるといった施策を打ち出してはいます。

しかし、それでも若年世代への資産移転がなかなか進んでいません。

その要因としては、まだ生前贈与がされにくい制度設計になっていることがあげられます。

生前贈与がしにくい原因~税率が高い

相続の前に若年世代へ資産を移転するには、生前贈与という方法があります。

しかし、この生前贈与の最大の問題は、税率が非常に高く設定されていることです。

【一般贈与財産(一般税率)】

  • 200万円以下・・・10%(控除額なし)
  • 300万円以下・・・15%(控除額10万円)
  • 400万円以下・・・20%(控除額25万円)
  • 600万円以下・・・30%(控除額65万円)
  • 1,000万円以下・・・40%(控除額125万円)
  • 1,500万円以下・・・45%(控除額175万円)
  • 3,000万円以下・・・50%(控除額250万円)
  • 3,000万円超・・・55%(控除額400万円

【特例贈与財産(特例税率)】

  • 200万円以下・・・10%(控除額なし)
  • 400万円以下・・・15%(控除額10万円)
  • 600万円以下・・・20%(控除額30万円)
  • 1,000万円以下・・・30%(控除額90万円)
  • 1,500万円以下・・・40%(控除額190万円)
  • 3,000万円以下・・・45%(控除額265万円)
  • 4,500万円以下・・・50%(控除額415万円)
  • 4,500万円超・・・55%(控除額640万円)

特例贈与財産は、祖父母や両親といった直系の親族から20歳以上の子や孫への贈与財産、それ以外が一般贈与財産となります。

例えば、祖父母が孫へ現金で1千万円の生前贈与を行うとすると特例税率が適用され、次のような計算で贈与税が算出されることになります。

(1千万円-基礎控除額110万円)×贈与税率30%-控除額90万円=177万円

つまり、1千万円の生前贈与に対して177万円も贈与税を支払う必要があります。これでは生前贈与が促進されないのも仕方ありません。

相続時精算課税制度が利用しにくい

若年世代への生前贈与に関する制度として『相続時精算課税制度』というものがあります。

これは、60歳以上の祖父母から20歳以上の子や孫に対しての生前贈与について、評価額で2,500万円まで贈与税がかからない制度です。

なお、2,500万円を超えた部分に対しては、一律20%の贈与税が課税されます。

これだけの金額が無税で生前贈与できるとなれば、もっと多くの人が利用しそうな制度にみえるかもしれません。

しかし、この相続時精算課税制度には大きなデメリットもあるのです。利用が進まない主な原因としては、次のようなことが考えられます。

生前贈与した資産の値下がりリスク

相続時精算課税制度というのは『相続時精算』という名の通り、相続時に相続財産として算入することになり、いわば『相続税の前払い』という性質をもちます。

そして、相続時に清算する額というのは、相続時の評価額ではなく、贈与を行ったときの評価額となります。

例えば、贈与財産が土地であった場合、贈与時の評価額が2,500万円、相続時の評価額が2,000万円ということになると、本来は2,000万円の評価額に対して課税されるものが、2,500万円で清算しなければなりません。

つまり評価額が下がると、その差額分が余計に加算されてしまうことになるのです。

逆にいえば評価額が贈与時よりも値上がりした場合は、その値上がり分は考慮されなくなりますので、相続時の評価額を算出する際に有利となります。

ただ、値上がりするか値下がりしてしまうか、というのはあくまでも不確定要素となりますので、判断が難しいといった点がネックといえるでしょう。

相続時精算課税制度を選択すると暦年贈与に戻れない

暦年贈与というのは、贈与税の非課税控除額内(110万円以内)の贈与を毎年行う方法ですが、相続時精算課税制度を選択すると、この暦年贈与に戻れなくなります。

相続時精算課税制度を選択すると、その後の生前贈与にも相続時精算課税制度が適用されます。

小規模宅地等の特例を使った方が有利である場合が多い

生前贈与が不動産の場合は相続時精算課税制度を使うよりも、一定の条件付きではありますが、相続時に小規模宅地等の特例を適用できます。

もし、この小規模宅地等の特例が適用できる場合には、相続時精算課税制度を使うよりも、相続税の算出上で有利になる可能性が高いでしょう。

相続法の大改正にともない税制も変わる?

2018年7月に、約40年ぶりとなる相続法関連の民法改正などが成立し、2019年1月から順次施行されることになっています。

今後、この民法改正などに対応し、相続税制改正による税率の見直しなど、若年世代への資産移転を一層促すための施策が行われていく可能性が高いといえるでしょう。

民法改正とともに、税制の動きについても注視していきたいところです。

相続税・贈与
著者行政書士プロフィール

1971年埼玉県狭山市出身。平成18年1月、埼玉県川越市に行政書士鈴木法務事務所を開業。埼玉県行政書士会川越支部所属・同支部理事。
開業当初より遺言書作成・遺産相続手続きを中心とした分野を専門として取り組み、これまで多数の実績がある。
事務所を構える埼玉県川越市を中心とした地域密着型の業務で、きめ細かな顧客への対応を実現し、遺言書作成・遺産相続手続きの専門家として大きな信頼を得ている。

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