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法務局で遺言書を保管~法務局における遺言書の保管等に関する法律

埼玉県川越市の相続と遺言書専門行政書士Blog 遺言書の制度

最も手軽で費用のかからない遺言書の作成方式は、『自筆証書遺言』です。

自筆証書遺言というのは、文字通り全文を自筆で内容を書き、署名押印をして自宅などに保管しておく方式の遺言書です。

ただ、この自筆証書遺言には多くのデメリットがあります。

例えば、保管していた遺言書の紛失や破棄、相続人などによる遺言書の隠匿や改ざんなど、様々なリスクが考えられるのです。

そこで、自筆証書遺言を安全に保管し、相続人に対して遺言書の存在をすみやかに知らせることができるよう、『法務局における遺言書の保管等に関する法律』という新しい法律が施行されます。

自筆証書遺言のデメリットと執行率の低さ

自筆証書遺言のメリットとしては、いつでも気が向いたときに費用をかけずに作成できることがあります。

しかし、こうしたメリットがある反面、多くのデメリットもあります。そうしたデメリットの中でよくあるケースは以下のようなものです。

相続人が遺言書を見つけられない~遺言書の紛失

自筆証書遺言の場合、自宅に保管しているケースがほとんどです。ところが、相続人が遺言書の存在を知らず、見つけられないといったことがあります。

せっかく作成した遺言書も、相続人が見つけられなければ書かなかったのと同じです。

遺言書を大事に保管することは重要ですが、あまりに厳重に保管してしまうと、相続人が遺言書を見つけることができないといったリスクが高まります。

遺言書の破棄や改ざんのおそれがある

例えば、相続人の誰かが遺言書を見つけて確認してみたら、自分に不利な遺言内容だったといった場合、その相続人が遺言書を破棄してしまうといったおそれがあります。

また、遺言書の内容を改ざんしてしまう、といったリスクも考えられるでしょう。

結果として、遺言者の希望通りに遺産を残すことができなくなってしまう可能性があるのです。

自筆証書遺言の開封は家庭裁判所を通さなければならない

封がされている自筆証書遺言の場合には、相続人が勝手に遺言書を開封して中身を確認することはできません。

もし、勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料(罰金のようなもの)を科せられることが法律に明記されています。

自筆証書遺言を開封する際には、家庭裁判所に対して『検認』の申立てを行い、相続人立ち合いのもとで家庭裁判所で開封する手続きが必要です。

この検認は申立てを行ってすぐに行ってもらえるわけではありません。通常は申立てから、およそ2か月ほどの期間がかかります。

実は自筆証書遺言の執行率は高くないのが現状

自筆証書遺言は、主に上記のようなデメリットやリスク、面倒な手続きを要するものです。

そこで問題になるのは、相続人が遺言書の内容や手続きの手間を嫌い、遺言書はなかったものとしてしまうことが多いことです。

ある調査によれば、自筆証書遺言が相続人によって執行(内容に沿って遺産を分けること)されるのは、わずか数パーセントともいわれています。

つまり、遺言書を書いていたとしても、ほとんどが遺言書の内容通りに遺産の分割が行われていない、遺言書の内容を無視した遺産分割が行われているのが実態ということになります。

法務局における遺言書の保管等に関する法律の創設

遺言書というのは本来、相続における遺産分割において最優先されるべきものです。

そこで、自筆証書遺言のデメリットを解消して、より遺言書の作成や相続登記を普及・促進することを狙いとした『法務局における遺言書の保管等に関する法律』が創設されました。

法務局で自筆証書遺言の保管

法務局における遺言書の保管等に関する法律の目玉は、一定の手続きを経ることで法務局が自筆証書遺言の原本を保管、データ化してくれるという点です。

この制度を使うことで、遺言書の紛失や破棄、改ざんといったデメリットが解消されることになります。

原本の保管だけではなく、データ化した形で保管もされますので、相続人は全国どこの法務局でも遺言書の検索が可能になります。

遺言書の存在を相続人に通知

また、遺言者の相続人のひとりから、保管されている遺言書の写しの交付、閲覧がされると、他の相続人全員に対して法務局から通知が行われます。

これにより、遺言書が保管されていることを知っていた相続人が、法務局へ写しの交付、閲覧を行った場合、相続人全員が遺言書の存在を確認できることになります。

結果として、遺言書の隠匿や改ざんを防ぐことができるほか、相続人が遺言書の存在を把握することが容易となり、相続手続きの円滑化につながることが期待されています。

この制度を使うと家庭裁判所での検認が不要となる

さらに、この制度を使うと、自筆証書遺言のデメリットのひとつである家庭裁判所での検認手続きが不要となります。

つまり、法務局で発行される遺言書の写しを利用することで、各種の相続手続きを迅速に行うことができるようになるのです。

法務局における遺言書の保管等に関する法律の注意点など

この法律は、間もなく施行される民法改正による自筆証書遺言の様式緩和とともに、相続人間のトラブルなどの防止に一定の効果が期待できるものです。

ただし、この制度を利用するにあたっては注意点などもありますので確認しておきましょう。

利用するには本人が法務局に出頭する必要がある

制度の利用について現時点で決まっていることは、必ず遺言者本人が法務局に出頭して手続きを行う必要があるということです。

遺言者本人は、法務局に保管されている遺言書の閲覧をいつでも行うことができるとされていますが、この閲覧に関しても遺言者本人の出頭が必要となります。

つまり、けがや疾病などで外出困難な方については、この制度を利用することができません。

この点について法務省としては、現時点で法律に沿った運用方法以外の方式は想定していません。

そのため、外出困難な方については、公証人の出張作成が可能である『公正証書遺言』を作成することになります。

また、作成した自筆証書遺言を法務局に持ち込む場合、封がされているものは手続きができませんので、原本を封筒に入れずに持参するか、封をしていない状態で持ち込むようにしましょう。

法務局でチェックされるのは形式上の不備のみ

自筆証書遺言が有効とされるためには、民法上のルールに従った形式である必要があります。

法務局での保管制度を利用する場合、この民法上のルールに沿って書かれているかどうかはチェックされますが、最も重要となる内容についてはチェックを行いません。

そのため、せっかく遺言書を作成して安全に保管されたとしても、肝心の内容に不十分な点などがあれば、相続人間のトラブル防止という役割を果たせない可能性があります。

遺言書の内容については、やはり専門家のアドバイスを受けながら作成することをお勧めします。

今現在はまだ利用することができません

法務局における遺言書の保管等に関する法律については、2020年7月までに施行されるとされており、現時点(平成30年10月現在)では、まだ法律は施行されておらず、施行日も未定です。

なお、自筆証書遺言の様式緩和に関する民法改正については、平成31年1月13日が施行日となっており、それ以降に作成された遺言書に対して適用されます。

遺言者が存命の場合は写しの請求・閲覧はできません

法務局で保管されている遺言書については、遺言者本人であればいつでも閲覧等が可能です。

また、遺言者は遺言書の撤回を申請することができ、撤回を申請すると遺言者へ遺言書が返還されるとともに、保存されている電子データも消去されます。

ただし、関係相続人などについては、遺言者が亡くなった後でなければ写しの請求・閲覧等を行うことはできません。これは公正証書遺言についても同様の扱いです。

自筆証書遺言の作成方法は従来と変わりありません

法務局における遺言書の保管等に関する法律の制定は、実質的に執行率の低かった自筆証書遺言の執行を促進し、相続人間のトラブルを防ぐ効果も期待できます。

ただし、自筆証書遺言は制度が変わっても、全文(財産目録を除く)を手書きで作成しなければならないことに変わりはありません。

遺言者が高齢になればなるほど、遺言能力(内容を自分の意思でしっかり表明できる判断能力)が疑われ、『あのときは遺言書など書ける状態ではなかった』などといた相続人間のトラブルも少なくないのです。

なお、この制度を利用する場合であっても、遺言内容の撤回などはいつでも可能です。後の相続で遺言能力に疑義をもたれることがないよう、早めに作成しておくことをお勧めします。

なお、『法務局における遺言書の保管等に関する法律』についての詳細は、法務省のホームページもあわせて参照してみてください。

法務局における遺言書の保管等に関する法律について|法務省(PDF)

遺言書の制度
著者行政書士プロフィール

1971年埼玉県狭山市出身。平成18年1月、埼玉県川越市に行政書士鈴木法務事務所を開業。埼玉県行政書士会川越支部所属・同支部理事。
開業当初より遺言書作成・遺産相続手続きを中心とした分野を専門として取り組み、これまで多数の実績がある。
事務所を構える埼玉県川越市を中心とした地域密着型の業務で、きめ細かな顧客への対応を実現し、遺言書作成・遺産相続手続きの専門家として大きな信頼を得ている。

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