少子化が急速に進む日本では、10~20年後にAIが労働力の49%を代替するようになる、といった研究結果があるそうです。
マンパワーが不足すれば、もうAIに頼るしかないということなのでしょうか。
あくまでも研究での予測ではありますが、労働力人口の半数近くがAIで代替可能な職種ということは、将来の労働力となる子どもたちは、どんな仕事をすることになるのですかね。
そして日経新聞によれば、代替可能性の高い100種の職業が掲載されています。
その中には士業も含まれており、特に行政書士の代替可能性の高さには少し驚きました。
行政書士の代替可能性は93.1%!
士業の中でも突出して高いのは、行政書士が93.1%、税理士が92.5%、弁理士が92.1%だそうです。これは単純に『自動化』しやすい仕事だという位置づけなのでしょう。
確かに、一般的な行政書士の主力業務というのは、許認可申請などの『定型業務』という認識だからだと考えられます。
税理士や弁理士といった士業もまた然りで、『自動化』しやすい仕事だと思われているようです。
実際に仕事の現場を見ているの?という疑問も
私の個人的な現場感覚では、それほど近い将来に行政書士の仕事がAIに取って代わられるなどとは思えません。
本当に『定型の業務だけ』を行っている士業は仕事がなくなる可能性もあるのでしょうが、ほとんどの士業は、単純に頼まれた仕事を機械的に処理しているわけではないからです。
プロにしかできないノウハウの駆使、コンサルティング能力、コミュニケーションスキルなども含め、一つひとつの仕事によって、進め方や業務処理のやり方はまったく違います。
人間対人間のやり取り、折衝能力といったところまでAIが学習できるのかはわかりませんが。
実際の現場というのは、そう単純ではありませんからね。
代替可能性が低いと思われている士業もある
ちなみに、AIによる代替可能性が低い士業としては、中小企業診断士が0.2%、弁護士が1.4%となっています。
まあ、これもコンサルティング能力であったり、トラブル解決の手腕はAIで代替が難しい、といった単純な試算だとは思います。
代替可能性が高いとされている士業であっても、こうした能力は同じくらい必要ですからね。研究者が士業の仕事現場をどれくらい理解しているのかは疑問です。
士業を目指す方が悲観的になる必要はない?
私は実際にAIがどの程度まで発達しているのかは、専門家ではないのでまったくわかりません。
ただ、自分の現場感覚では『これは機械じゃ無理だろ』という部分が多いことは確かです。
ですから、これから行政書士をはじめ、AIに『支配』されてしまう可能性が高いと言われている士業を目指している方は、それほど悲観的にとらえる必要はないと思います。
あくまでも予測、単純に表面上の業務内容から割り出している数字だと思いますので。『事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きているんだ!』ということです。
ちなみに、こうした未来予測とは裏腹に、残念ながら私の事務所の仕事がなくなる気配は一向にありません(笑)。