行政書士試験は、いわゆる法律系の国家資格の中では比較的合格を目指しやすいといえます(行政書士試験そのものが簡単、という意味ではありません)。
私が行政書士試験に合格してもう15年ほど経ちます。
しかし当時の合格率も5~8%程度でしたから、やはり苦労して勉強したことを覚えていますね。
当時の私は安月給のサラリーマンで経済的余裕がありませんでしたから、受験を決めたときから独学で勉強する選択肢しかありませんでした。
ただ、近年の試験問題をみる限り、難易度は上がっているとはいえ、まだまだ独学でも十分合格を目指せる試験かな、というのが率直な私の感想です。
もし、行政書士試験の合格を目指している方に対して私がアドバイスを送るとすれば、まず『国語力』を強化することに尽きます。
一般知識にしても法令問題にしても、国語力が足りなければ合格することはまず困難だからです。
国語力が足りなければ合格できない理由とは?
まず、行政書士試験は大きく『一般知識等科目』と『法令等科目』の2つに分けられますが、最も厄介なのは一般知識等科目です。
なぜなら、この一般知識等科目は試験範囲というものがないからです。
一般知識等というのは、世の中のあらゆる知識が問われるものです。単に人よりも多少博識であるからといって解ける問題ではありません。
そして、法令科目等が合格レベルの正答率であったとしても、一般知識等で一定の点数がとれなければ、その時点で『足きり』されて不合格となります。
不合格者のほとんどは、この一般知識等で得点できなかったために涙を飲んでいるのです。
そこで重要となるのが、やはり問題を読み解くための『国語力』です。
国語力を鍛えれば一般知識は攻略できる
国語力が必要なのは行政書士試験に限りませんが、行政書士試験の一般知識等を攻略するには、出題された問題を読み解いていくための国語力にかかっています。
つまり、行政書士試験の合格のカギとなるのは、国語力の強化なのです。
とはいえ、国語力というのは一朝一夕で身につくものではありません。一般知識等の問題については過去問を解くだけでは不十分、もっといえばまったく役に立ちません。
また、一般的に新聞や本を読むのが効果的といわれていますが、私の経験上、これだけでは問題を読み解く国語力の強化という点では不十分です。
知識のインプットも確かに大事ではあります。しかし試験というのは、問題の意図を限られた時間内でくみ取り、アウトプットできなければならないのです。
そうした能力をつけることが、一般知識等攻略のカギとなります。
他の試験の問題を解いていくのが効果的
私が一般知識等の学習でよく行っていたのは、行政書士試験以外の問題を解くことです。
公務員試験や中学や高校受験の問題など、一般知識等の勉強で参考になりそうな問題集を買い込んで解きまくってましたね。
今はAmazonなどを利用して簡単に購入できますが、当時はまだまだネットが普及していなかったので、中高生向けの問題集を書店で買うのが少し恥ずかしかった思い出があります(笑)。
ただ今思えば、これは問題を解くための国語力の強化にかなり効果的でした。もし一般知識等の学習に困っているという方は、ぜひ実践してみてください。
国語力は法令等科目の学習でも必要な能力
一方で、法令等科目については試験範囲があり、必ずおさえておくべき重要な論点などは、参考書や過去問を使った学習が中心となるでしょう。
しかし、法律や判例を読み解いて理解するにあたっても、やはり国語力は必要です。
国語力と法令の基礎知識がしっかり身についていれば、多少イレギュラーな問題に遭遇したとしても、十分対応することができるようになります。
一般知識等科目の学習にしても法令等科目の学習にしても、問題を読み解いてアウトプットする力が必要であることは同じです。
行政書士となっても国語力は生きてくる
試験に合格するための知識は、行政書士の実務では役立たないという方もいます。
しかし私自身の経験上、実務で必要となる難解な法律や制度を読み込んで理解するにあたって、行政書士試験の勉強で培った国語力が生きているな、と感じています。
試験に合格して行政書士となっても、実務に必要となる知識の自己研鑽は欠かせないものです。
もし、これから行政書士試験の合格を志しているという方は、『国語力の強化』という点に着目して学習してみてください。