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広がりつつある『遺贈寄付』という選択~増加の背景には意識の変化も

埼玉県川越市の相続と遺言書専門行政書士Blog 相続税・贈与

近年、将来遺産となる自分の財産を寄付する準備をする方が増えてきています。

自分の死後、遺産を寄付するための方法はいくつかあります。

最もオーソドックスな方法としては、法的な効力が生じる遺言による『遺贈』です。これは、遺言により財産を寄付する意思表示をしておくというものです。

これがいわゆる『遺贈寄付』ということになります。

また、故人の生前の意思を尊重して、遺産を相続した相続人が寄付をすることがあります。これは『遺産の寄付』として遺贈とは区別されます。

このような選択をとる背景には、自らの財産を社会のために役立ててもらいたいといった意識の高まりや、相続をとり巻く社会情勢の変化というものが大きく影響していると感じます。

遺贈寄付が増えつつある背景にあるものは?

遺贈寄付が増えつつある社会的な背景としては、やはり先の東日本大震災の経験というのが大きなきっかけのひとつといえるでしょう。

実際、個人寄付の総額は震災を境にして急増しており、現在ではやや落ち着いてはいるものの、震災前に比べて日本人の寄付意識が変わったことは間違いありません。

さらに折からの終活ブームもあり、遺贈寄付という形で自らの財産を社会に還元する選択をする方が増えてきているのかもしれませんね。

生涯未婚率の増加も遺贈寄付を考えるきっかけに?

そうした寄付意識の高まりとともに注目すべきなのは、生涯未婚率の増加という要因です。

現在、50歳までに一度も婚姻をしていない人の割合は男性が4人に1人、女性で7人に1人とされており、法定相続人となる人が誰もいないといったケースも少なくありません。

もし、法定相続人が一人もいない方が遺言を残さずに亡くなった場合、その方の遺産は一定の手続きを経て最終的には国庫に帰属する、つまり国のものになります。

それであれば、財産の行く末を自ら決めておく方がより有益に使ってもらえる、と考える方もいるでしょう。そのような社会的背景も遺贈寄付が増加している要因と考えられます。

遺贈寄付の一般的な方法や注意すべき点は?

まず『遺贈』というのは、遺言による贈与という意味です。そのため生前の意思表示として遺言書の作成が必須となります。

遺贈寄付を希望する場合には自筆証書遺言ではなく、より証明力や証拠力の高い公正証書遺言を作成するのが望ましいでしょう。

また、遺贈寄付を希望する場合には、その意思を確実に行ってもらうための遺言執行者を選任しておくことも大きなポイントとなります。

特に相続人が一人もいないといった方については、遺言執行者を指定しておかないと遺言の内容を実現してくれる人がいないということになりますので注意が必要です。

もし遺贈寄付を検討しているのであれば、やはり遺言書の作成に詳しい行政書士などの専門家と相談しながら作成するのが安心です。

法定相続人がいる場合の遺贈寄付は遺留分に配慮すること

法定相続人が一人もいない場合には、自分の財産をすべて遺贈することに問題は生じないかもしれませんが、もし配偶者や子といった法定相続人がいる場合には留意しておく点があります。

配偶者や子といった法定相続人には、法律で定められている遺留分(遺産の最低限の取り分)を取得する権利があります。

そのようなケースでは、全財産を遺贈寄付するといった内容の遺言書を作成してしまうと、相続トラブルが生じてしまう可能性が大きくなります。

もし遺留分を取得できる相続人がいる場合には最低限、遺留分に配慮した内容で遺言書を作成するのが無難でしょう。

なお、被相続人(遺産を残す人)の兄弟姉妹には遺留分がありません。そのため兄弟姉妹のみが相続人となる場合については、遺留分に配慮する必要はなくなります。

遺贈寄付の財産内容によっては受け入れが困難な場合も

遺贈寄付を受け入れてもらえる財産内容についても、事前に調べておく必要があります。

例えば、寄付を希望する先が現金は受け付けていても、不動産などの遺贈寄付は受け付けていないといった場合もあるので注意しましょう。

遺贈寄付や相続人による遺産の寄付は相続税の課税対象から外れる

遺贈寄付については、税制上のメリットとなる相続税対策として関心を寄せている方もいます。

遺贈寄付は特定の公益法人などを対象に行った場合、その金額は相続税の課税対象から外れることになり、結果として相続税対策にもなります。

また、遺言書のない場合で相続人による遺産の寄付についても同様です。

ただし、この場合には相続税の申告・納付期限である被相続人が亡くなってから10か月以内に行った寄付に限られますので注意が必要です。

確実に寄付をしてもらいたいのであれば遺言書による遺贈寄付を

遺言書を残していなくても、生前に相続人へその意思を伝えておくことで、相続人が遺産の寄付を行ってくれるかもしれません。

しかし、これは相続人の考え方次第ということになり、法的な強制力は一切ありません。あくまでも相続人が任意で決めることです。

そういう意味では、確実に寄付を行ってもらいたいのであれば、やはり遺言書による遺贈寄付が最も確実です。遺言書の内容というのは法的効力が生じるためです。

遺贈寄付を行うきっかけや動機が純粋な社会貢献であれ相続税対策であれ、自分の意思を確実に実行してもらうためには、しっかりと熟考したうえで準備を行っておく必要があるでしょう。

相続税・贈与
著者行政書士プロフィール

1971年埼玉県狭山市出身。平成18年1月、埼玉県川越市に行政書士鈴木法務事務所を開業。埼玉県行政書士会川越支部所属・同支部理事。
開業当初より遺言書作成・遺産相続手続きを中心とした分野を専門として取り組み、これまで多数の実績がある。
事務所を構える埼玉県川越市を中心とした地域密着型の業務で、きめ細かな顧客への対応を実現し、遺言書作成・遺産相続手続きの専門家として大きな信頼を得ている。

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