日本郵便によると年賀状配達数は2008年度は約29億通だったのに対し、2018年度は19億通と10年間で10億通(34%)も減少したそうです。
さらに今年2020年度の速報値では約13億通ということなので、この2年間でさらに6億通も減少したことになります。
このように急激なペースで減少している年賀状の配達数ですが、これに関してはもう多くの方が原因に心当たりがあることでしょう。
それは若年層を中心とした電子メールやSNSといったコミュニケーション手段の多様化です。
年賀状という慣習はやがて消えゆく運命?
電子メールやSNSといったコミュニケーションツールは、すでに老若男女問わず広く利用されています。
そして時候の挨拶などでも、そうしたツールを利用する方が増えてきているのでしょう。
実際、私の事務所でも年々書状は年々減少していますが、電子メールでご挨拶を頂くことは増えてきている印象があります。
手間もお金もかかる年賀状という、いわば『アナログな慣習』というのは次第に消えゆく運命にあるのかもしれません。
コミュニケーション手段というのは時代とともに変わっていくものです。
そしてこれから先、さらに画期的な技術などが出てくるかもしれません。
そうなると、やはり手間も時間もお金もかかる年賀状といった慣習を広く維持することは困難となることは想像に難くありません。
終活年賀状の広がりも要因のひとつ?
さらに近年では終活の一環として『来年からは年賀状のやり取りを辞退させていただきます』といった旨の、いわゆる『終活年賀状』の広がりも要因のひとつとなっているかもしれません。
多くの方が経験しているとは思いますが、年賀状の作成というのは想像以上に様々な負担がかかります。
年齢を重ねていくにつれて、こうした負担はさらに重くなってくるものです。
近年の終活意識の高まりも相まって、年賀状をきっかけに人間関係の断捨離をしている方が増えてきていることもあるでしょう。
年賀状減少の一方で宅配貨物は年々増加の一途
年賀状の減少と対照的に増加の一途をたどっているのは、いわゆる宅配便の取り扱い件数です。
インターネット通販の市場の拡大だけでなく、ネットオークションの配送やフリマアプリによる匿名配送といったサービスも登場し、ますます宅配貨物は増加してきています。
そうした中で問題となっているのが、想像を絶する配達員の方たちの負担増です。
宅配時の不在率の高さは大きな問題~ぜひ思いやりの心を
宅配貨物が急増しているだけでも負担が相当にかかっているうえに、さらに追い打ちをかけているのが宅配時の不在率の高さだといいます。
よくよく考えてみれば、自分で注文しておきながらいざ配達時に不在というのは、配達員の方にとってかなり理不尽な話でしょう。
配達員の方の負担というものを考慮せず『いなくてもまた再配達してもらえばいいや』という考えがあるのではないでしょうか。
手軽に利用できるという反面、荷物を届けてもらうという意識や思いやりというのがどうも薄れているような気がするのです。
一回で確実に受け取れる配送先や時間帯をきちんと指定する、コンビニ受け取りなどをできるだけ利用するといったことを、一人ひとりがきちんと意識することも大事なことですね。