先日行われた宅建士試験に関連して、こんな記事がありました。
宅建士試験といえば、年間20万人以上が受験する最も人気の国家資格です。
このシステムで作成された問題をすべて解いておけば、少なくとも選択式問題については78%正解できるということですから、AI恐るべしといったところですね。
今後は資格試験にとどまらず、大学入試などの問題にも対応していく予定とのこと。ごく近い将来には、AIを利用した学習システムが当たり前の時代になってくるのでしょうか。
行政書士試験も、現行の選択式問題がAIに攻略されてしまうのは時間の問題かもしれません。
AIの進化で試験の難易度がアップする?
ただし、これは試験勉強の効率化になると、単純にぬか喜びはできないことです。
このシステムも記述式の問題に関してはデータ不足もあり不得手で、対応できるようになるのはまだまだ先になるとのことですが、いずれはある程度対応できるようになるのでしょう。
もし将来的に試験問題をAIに完全攻略されてしまうようなことになれば、試験問題の形態そのものを変えていく、あるいは問題をどんどん難化していくしかありません。
ある意味、これからの受験生にとっては受難の時代になる可能性も考えられるのです。
行政書士試験本来の目的は見失わないよう
また、試験委員の方々がAIを逆利用して、出題傾向を突然ガラッと変えてくるといったことがあるかもしれません。あるいは毎年異なる出題形式の問題になってくる可能性もあります。
そうなると、もう過去問中心といった『アナログな』学習では対応が難しくなります(もうすでに対応は難しくなってきてはいますが)。
行政書士試験の目的は、行政書士となるために必要な知識や能力を見極めるためのものです。
くれぐれもAIとの『いたちごっこ』にならないよう、行政書士試験本来の目的が見失われてしまうようなことは避けてもらいたいものです。
試験を実施する側はもちろん、受験生も本質を見失うことなく学習できる工夫が求められます。
技術の進歩は素晴らしいことではありますが
AIそのものは、様々な分野で有効活用できる大きな可能性をもっています。私たちの生活においても、今後はさらに影響力を高めていくでしょう。
資格試験のあり方というのも、その中のひとつになるかもしれません。
私は根っからのアナログ人間なので、あまりAIと言われてもピンとこないところがあるのですが、すでに知らない間に利用している、ということもあるのでしょう。
今後の行政書士試験がどのようになっていくのかはもちろん、私たち行政書士の仕事においても何らかの大きな変化や転換点の波が、近いうちにやってくるのは間違いなさそうですね。